【水道普及率98%】水に恵まれた日本
日本は、世界的に見ても高い水質基準を維持し、安全で清潔な飲料水を提供している国の一つです。
実際、日本では98%の上水道普及率を誇るなど、おいしく安全な水がいつでも飲めるのが当たり前のこととされています。
しかし、海外では安全な水を飲むことやおいしい水を飲むことが難しいこともあるほど、水は貴重なものとされているのです。
そこで、今回は、日本の水の安全性や水に恵まれている理由について詳しく解説します。
- 日本が水に恵まれている理由とは?
- 水道水をそのまま飲める国は日本を含む12カ国のみ
- 世界と日本の水質基準について
- 水道水に塩素が含まれるのは消毒のため
- 水道水の水質が気になるなら浄水器や整水器もおすすめ
- 日本は水不足になる?限りある資源を大切に使おう
- 水不足を防ぐために私たちができること
- 不要な水の使用は減らす
- 生活排水をできるだけきれいな状態で流す
- まとめ
日本が水に恵まれている理由とは?
日本は、世界でも水に恵まれている国として知られています。
実際に、日本の上水道普及率は令和3年時点で98.2%で、世界最高水準の普及率を誇ります。
東京、大阪、沖縄は100%、最も低いのは熊本県の89.2%という結果になっています。
熊本県は地下水に恵まれ、生活用水や家や集合住宅ごとに井戸を使っている世帯が多いため、浄水場を持っていないのです。
しかし、地下からくみ上げた水も水道法で定めた最低限の塩素を加えてから、家庭に配水しているので安全性にも影響はありません。
また、日本は梅雨や台風、雪など、気候に恵まれ、比較的降水量が多い国です。
世界平均と比べても、日本の年間平均降雨量は約1.6倍にもおよびます。
水道水をそのまま飲める国は日本を含む12カ国のみ
そもそも、水道水から水を飲めるというのは当たり前のことではありません。
水道水を飲用水としてそのまま飲めるのは、世界的にみて日本を含む以下の12の国に限られています。
青は水道水からそのまま飲める国、黄色はそのまま飲めるが注意が必要、赤はそのまま飲めない表示です。
この結果からしても、赤が最も多く、同じアジアでも水源の確保やインフラの整備が難しいというのが現状です。
01世界と日本の水質基準について
そもそも、世界と日本では、水道水の水質基準には大きな違いがあります。
世界的にも高い水質基準を設けていますが、日本は特に数値が厳しく設定されていることがわかります。
また、日本にしかない項目もあり、たとえばカビの匂いは日本独自の基準です。
日本人は他国に比べて匂いについてデリケートということもあり、飲用として使えるように基準が設けられています。
さらに、日本では、国が定める基準以外にも、各都道府県によって独自の水質基準があり、場所によっては国よりも厳しい基準が設けられているケースもあります。
02なぜ日本の水が安全なのか
日本の水質は、厚生労働省によって厳格な基準が設けられていることで安全性が確保されています。
実際、水道水には目に見えないさまざまな物質が含まれており、中には人体への影響があるもの、味やにおいに影響を与えるものもあります。
そして、悪影響を及ぼすかどうかの基準値を定めたものが「水質基準」です。
日本の水道水は、「水道法」によって検査が義務付けられているので、日々安心して水道水を利用できるというわけです。
03水道水に塩素が含まれるのは消毒のため
水道水に塩素が使われていることは、多くの人が知っている事実です。
結論からいうと、塩素は消毒のために使われています。
水道水のもととなる原水には河川や湖の水が使われますが、病気の原因となる微生物が含まれている恐れがあります。
そのため、消毒をしないと安全なお水として使うことはできません。
塩素には強い殺菌力があり、河川や湖の水に含まれる微生物の細胞膜を破壊して死滅する効果があります。
水道水を消毒するために使われている塩素ですが、健康への影響はないと考えて問題ありません。
水道水に含まれる残留塩素の量はごくわずかで、摂取しても人体への悪影響はないと言われているので、水道水をそのまま飲んでも心配はないでしょう。
04水道水の水質が気になるなら浄水器や整水器もおすすめ
日本の水道水は水質基準によって、高い安全性が保たれています。
しかし、マンションなどの集合住宅では貯水槽の劣化により、水道水の臭いが問題になることもあります。
子どもがいる家庭や、健康を気にする人は、よりおいしく安全に水道水を使いたいと考える人もいるでしょう。
より安心感やおいしさを求めるなら、浄水器や整水器を利用するのもおすすめです。
浄水機能により、塩素やトリハロメタン(発がん性が懸念される物質)を最小限にすることも可能です。
日本は水不足になる?限りある資源を大切に使おう
世界的にみると水に恵まれている日本ですが、水不足にならないわけではありません。
実際、2022年3月に、高知県室戸市で水不足による給水制限が発生しており、約1,200世帯にまで影響しました。
このときの水不足の原因として、降雨量が非常に少なかったことが挙げられます。
今後、過去と同じように渇水(降雨量が少なくダムに貯水できない状態)および水不足が発生する可能性はないと言えないでしょう。
水不足を防ぐために私たちができること
水不足は、現代の日本においても起こりえる問題で、1人1人が真剣に向き合わなければいけない問題です。
最後に、誰もが実践できる水を大切にする行動を紹介します。
.不要な水の使用は減らす
日常生活において使用している水ですが、意識するだけで節水することは十分可能です。
たとえば、以下のような行動が挙げられます。
・水をこまめに止める
・お風呂の残り湯を有効活用する
・シャワーヘッドを節水用に変える
・トイレを流すとき、大と小を使い分ける
まず、歯磨き、シャワー、洗い物などで水を出しっぱなしにしないように気を付けましょう。
ほかにも、シャワーヘッドを節水用に変える、お風呂の残り湯を花壇の水やりに使うなどもおすすめです。
毎日の積み重ねで、多くの水を節約することにつながります。
.生活排水をできるだけきれいな状態で流す
河川の汚れの原因の7割が生活排水と言われるほど、大きな問題になっています。
生活排水をできるだけ綺麗な状態で流すには、「お皿や調理器具の油汚れはふき取ってから洗う」「洗剤やシャンプーは適量を意識する」といった方法があります。
お皿や調理器具についた油は、キッチンペーパーや新聞紙でふき取ってから洗うと、排水に混ざる油を極力減らすことができます。
まとめ 日本の水は世界から見ても安全性が高い
日本の水は、厳しい水質基準をクリアしたものだけが水道水として利用されており、世界から見ても安全性の高い水が提供されています。
しかし、水は有限ではありません。
1人1人が日々の生活の中で水を大切にする行動を取ることで、将来の水を守ることにもつながります。
この記事を参考に、できることから実践していきましょう。